受験生へ★★★ 幸運をよびこめ ★★★俺は運がなくて。あーあ、ツキがないな。こんな言葉をよく耳にする。 運ていうのは おもしろい 言葉だ。言われてみるとそんな気がするし、何かと思って考えてみるとさっぱりわけがわからない。 プロ野球の監督に西本さんという人がいた。大毎、阪急、近鉄とわたり歩いて、パリーグ制覇七度。名監督とうたわれた。 しかし、日本シリーズでは七度とも惜敗。とうとう 日本一 になることはできなかった。 九回二死までリードしながらホームランをうたれて負けたり、先に三勝したのに、あと一つが勝てなかったり、不運(悲運)の 名将 とも言われた。 しかし、それに対して西本さん、断固いったね。「私は不運なんかじゃない、七度も リーグ優勝 のできたことを よろこばなくては ならない」というのだ。 味わうべき言葉じゃないか。運が悪い、ツイテイナイ、といって他の選手にあたる投手と比較すればえらい違いだ。 こんな話もある。 ある雑誌の企画で、馬券を買わせたというんだな。 同じ人に二通りのやり方で。 まず最初に、買ってはずれるたびに、ツイテネエナア、チェッと言う、これを義務づけて買わせた。そうすると次から次へと全部はずれてスッカラカンになってしまうんだと。 次に、はずれても ドンマイドンマイ と 明るく 、また買うように義務づけた。すると、あたる確率が高くなって、最終的には大きな 黒字 になったんだってさ。 運が悪い、ってのは、単なる偶然の出来事を、そう決めつけているだけじゃないのかね。 その結果、自分の悪いところは認めないで、他の人のせいにしてすましてしまっているんだ。だから何度もその失敗をくりかえす。 自分がミスったときも、「チェッ、ツイテネエナ」はやめよう。 自転車ぶつけてハンドルがまがっちゃった。 いいじゃない 、ケガをしなかっただけ。 おさいふおとしちゃった、一万円も入っていたんだぜ。いいじゃない、二万円入ってなくて。 ものは考えようだ。 ツイテナイ、って考えたら、本当にツキがなくなるものだ。 人間はまわりあわせで、アンラッキーな面もあれば ラッキー な面ももちあわせている。 不運を嘆くな、 幸運 を待とう。 幸運は 明るく 、絶ゆまざる 前進 をする君の上にバラバラとふりかかってくるものだ。 (「受験ごくらく・妙薬100錠」 著者:土屋博映 より)土屋の古文 ジャンル別一覧
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